（4） 対 が ん 協 会 報 2016年1月1日
校、山口小学校の３校では、担任とさ まざまな外部講師（がん経験者、県教 委、看護師）の組み合わせでTT（ティ ームティーチング）授業が計画された。 授業で使われた教材は、徳島県教育委 員会指導主事の布川美保さんが開発。 布川さんは桑野小学校と山口小学校で は授業も行った。
阿南第二中の授業後検討会には小 中学校の養護教諭や医師・看護師など 30名近くが参加し、活発に意見交換 がされた。「がんに特化した授業は小学 校では難しいのでは。専門的な内容よ り、命の大切さや生き方の問題にした 方が良いと思う」「やはりがん患者の生 の声を聴きたいという声も多い」「遺伝 する、うつる、生活習慣がいけないな ど、ネガティブなイメージが強い。も っと夢を持てるようなカリキュラムが 必要」など多くの意見が出た。 佐瀬教授は「現場の先生方が一番子 供や授業のプロ。先生方の取り組みに 感銘を受けた」と話した。
モデル授業は小学校３校、中学校１ 校で10月から12月にかけて実施。最 初が阿南市の阿南第二中学校での順天 堂大学大学院医学系研究科の佐瀬一洋 教授の授業だった。２年生２クラス 61名を対象に、医師でありがん体験 者でもある外部講師の授業と、担任に よる事前授業という授業計画にした。 事前授業では生徒たちに佐瀬教授への
質問を書かせた。 「がんはなぜ発症
するのか」「遺伝が 関係するのか」「が んになって一番つ らいことは何か」 「笑うとがんにな
りにくいというの は本当か」などさ まざまな質問が寄 せられた。 阿南第二中に続 いて実施された橘 小学校、桑野小学 徳島県の平成27年度の「がん教育総
合支援事業」は、①がん教育総合支援 事業協議会の開催②がん教育用教材の 開発③モデル校でがん教育の実践④教 職員対象の研修会開催⑤「徳島県がん 教育総合支援事業報告書」作成の主に ５つ。「保健学習（指導）に位置付けた 『がん教育』の在り方」を研究テーマに
取り組んできた。
徳島県のがん教育総合支援事業に協力
佐瀬一洋教授がモデル授業と講演
徳島県教育委員会体育学校安全課指導主事
布 川 美 保 さ ん の 話
子どもたちに語りかける佐瀬教授
阿南第二中 子どもたちの感想より
● 「笑っていればがんは予防できるのか」という質問の答えに、 佐瀬先生が「私はそう信じています」と言ってくれたので感動 しました。私もいつも笑っていようと思いました。
● 祖父が胃がんになった時はつらかったです。でも一番つら かったのは祖父でした。元気づけるのが私の役目だと思いま した。
● 僕のおばさんは、がんで亡くなりました。その頃はまだ幼かっ たので、なにも思わなかったけれど、今日教わったことを参 考にして健康に注意し、おばさんの分まで生きたいです。 ● 母が乳がんになっています。母になるべく負担をかけないよ
うに自分にできることはやって、母がやっていることはできる ようになりたいです。
● 徳島県はがん検診受診率が全国で最後から８番目で、検診を受けている人が少ないと聞いてびっくりしました。家 に帰ったら家族に「がん検診を受けて」と言います。
● 佐瀬先生は、昔がんになったけど、５年も生きていて、元気にマラソンなどもしていると聞き、すごいなあと思い ました。
形式を取り入れたり、スライドにアニメーション の演出をしたり。聞いているだけだと子どもは すぐ退屈してしまうので、授業では子どもの反 応を見ながら「どう思う？」と声をかけて、一 つ一つ自分で考えさせるようにしました。一番 反応が真剣なのは小学生ですね。
モデル授業などの実 践をしながら、がん教 育教材を開発・改良し ています。子どもの反 応を見ながら、クイズ
